廃棄になってしまうかもしれない。そのリスクを背負ってでも、私たち藤井農園が木の上で完熟を待ち続ける理由。それは、ただひとつです。

完熟いちじくを口にした瞬間、「本当に美味しい」と喜んでいただけること。それが、私たちにとって何よりの喜びであり、生きがいだからです。
経営的に見れば、早どりをしてロスを減らすほうが、合理的な選択かもしれません。それでも私たちが完熟にこだわり続けるのは、その先にある、お客様の笑顔を知っているからです。
これまで、直売所やイベントで、何度もこんな声をいただいてきました。
「いちじくって、実はそんなに好きじゃなかったんです」
そう話してくださっていた方が、私たちの完熟いちじくを口にした瞬間、表情がふっと変わる。「え、こんなに美味しいんですね」「いちじく、好きになりました」。そう笑顔で話してくださる瞬間を、私たちはこれまで、何度も目の前で見てきました。
その瞬間に立ち会えることが、私たちにとって、農業を続ける一番の原動力になっています。

完熟を待つということは、決して楽な選択ではありません。天候という、自分たちにはコントロールできないものと、毎日向き合い続けることでもあります。それでも、口にした方の「美味しい」という一言には、それだけの価値があると、私たちは信じています。
完熟前のいちじくが流通し続ける限り、「いちじくが苦手」という方は増え続けてしまいます。私たちはその流れを、少しでも変えたいと思っています。
いちじく嫌いを増やすのではなく、いちじく好きを増やしていくために。これからも、完熟にこだわり続けます。
藤井農園





